大学生の塾の勉強コラム

実験レポートを書こう

実験レポートを書こう

 

新年度がスタートし、履修登録を経て本格的に講義が行われていく頃ですね。

どのような講義を履修するか決めていく作業は悩ましいと思いますが、理系の学生でしたらもっと悩ましいことがありますよね。

そう、物理系や化学系の実験を履修しなくてはならない方が多いのではないでしょうか。

「実験に時間がかかる」、「実験レポートを書くのが大変」、「単位を落とすと留年してしまう」 など、正直なところあまり良いイメージがないですよね。

実験レポートは、以下のような項目でまとめていくのが一般的です。
( 講義の中で項目に指定がある場合はそちらに従ってください )

・ 実験の目的
・ 実験方法
・ 結果
・ 考察
・ 参考文献

それでは各項目ごとに要点をお伝えしていきます。

実験の目的

1~2年生のうちに行う実験は、どちらかと言えば専門性の高い分野ではなく、高校物理で学んだことを体得することを目的としたものが多いです。

卒業論文や各種研究論文を執筆する際、基本的には理論と実験による比較・考察を行うことが一般的ですので、その準備段階という意味合いもあるでしょう。

具体的な実験の目的は、実験の事前説明の際に伝えられます。

資料として配布される場合は、その資料内に必ず記載があります。

資料の丸写しではなく、自分の言葉で端的に記述するのがよいでしょう。

 

目的の記述例

重力加速度は日本各地で値が異なることが知られている。

東京では〇〇〇m/s2であるとされているが、振り子による装置でどれだけ精度よく重力加速度を測定することができるかを知ることが本実験の目的である。

 

実験方法

実験方法は事前説明の資料を丸写しにする人も多いですが、実は注意点が多い項目です。

実験レポートの良し悪しを判断する1つの材料でもあるため、要点をしっかりおさえて書くようにしましょう。

ココがポイント

その要点はというと、

・ 原理を明記する。

・ 過去形で記述する。

・ 第三者が読んで同じ実験を再現できるように記述する。

・ 実験の注意点と、その理由を明記する。

ということが重要です。

 

実験レポートは「報告書」ですから、「〇〇によって〇〇を計測した」というように過去形にする必要があります。

また第三者が読んだだけで同じ実験を行うことができ、同等の結果が得られるように記述する必要があります。

実験の手順の中には時間が掛かったり面倒なものもありますが、その手順を飛ばしたり代替手法で行うとどんな不都合が生じてしまうのかを記述しておくことも大切です。

 

原理の記述例

振り子の振れ角が糸の長さに対して十分小さいときは、運動を単振動と近似することができる。

振り子の周期は質量、糸の長さ、重力加速度によって〇〇〇という関係式で定義されるため、周期を計測することによって重力加速度を計算することができる。

 

結果

前述の実験方法によってどのような測定値が得られたか、測定値から目的のパラメータがいくつになったかを記述します。

ここを読めば実験が成功したのか失敗に終わったのかが分かるため、緊張感のある項目ですよね。

なお余談ですが、実験を失敗してしまった場合、通常は再実験を行うことになります。

誰も知らなかったような実験の新しい注意点が判明した場合、意図して実験レポートとして残すこともありますが、1~2年生で行う実験ではまず間違いなく再実験です。

 

ココがポイント

この結果の要点は、

・ 実験の条件や設定値を明記する。

・ 有効数字を考慮して測定値を表にまとめる。

・ 必要に応じ、グラフ化する。

・ 推測や主観は書かない。

ということです。

 

実験によって得られた結果に対して意見を述べたくなりますが、それを記述するのは次の「考察」です。

例えば 「理論値〇〇に対して誤差〇〇%の結果が得られた」 というのは実験によって得られた事実ですので、結果の項目に記載します。

一方で 「理論値〇〇に対してほぼ同等の結果が得られた」 という表現の場合、「ほぼ同等」 かどうかは個々の判断に委ねられるため主観にあたりますので、考察の項目に記載するようにしましょう。

 

考察

恐らくは実験レポートを読む教員が一番重点的にチェックする項目でしょう。

実験レポートを書いた学生がどの程度理論を熟知しているかを判断されます。

 

実験で得られた結果が理論値と完全一致するケースはほとんどないと言ってもよいでしょう。

( うまくいきすぎてしまった実験ほど考察を書くのが難しくなります )

さらに詳しく

なぜなら、

・ 理論通りにならない外的要因が存在する

・ 理論値は近似式によって得られる場合がある

・ 計測には誤差がつきものである

といったことがあるからです。

 

したがって、考察の項目では理論通りにならなかった外的要因(摩擦、抵抗、温度、残留物質など)を考え、その影響度合いについて調査した結果を記載することが多くなります。

これらを調査するために有効なのが、「機械工学便覧」 や 「電子工学便覧」 といった図書になります。

外的要因の種類や影響度合いを調べることができ、そこから誤差がプラス側/マイナス側のどちらになるかを推察することができます。

それを実験結果と照らし合わせることで、推察の妥当性を評価することができます。

 

前述の図書は学内図書館にあると思いますので、実験レポートを書く際に閲覧するようにしましょう。

他の学生と奪い合いになることが多いため、時間に余裕を持って図書館に足を運ぶといいですね。

 

参考文献

前述の通り、主に考察を書く際にいくつかの図書やウェブサイト上の情報を活用することになるでしょう。

実験レポートに書いた内容や推察の妥当性を示すために、その根拠を明示しなくてはなりません。

 

下記のものが根拠を明示する資料として有効です。

さらに詳しく

・ 教科書

・ 専門書(機械工学便覧など)

・ 各種学会が発行する雑誌、論文集

・ 関連する省庁や企業が掲載しているウェブサイトの情報

 

なおウェブサイト上には正しい情報や誤った情報が混在しているため、信頼できる機関・企業が掲載している情報でなくてはなりません。

誰でも編集できてしまうウィキペディアや、個人のウェブサイトに掲載されている情報は根拠を明示する資料としては不適切になりますので注意してくださいね。

 

参考文献を記す際は、「第三者が同じ情報にたどりつくことができること」 を意識する必要があります。

例えば図書の場合、

著者名、書籍名、出版社名、出版年、版数、ページ番号

を記載しましょう。

 

いかがだったでしょうか。

提出期日間近になって徹夜で仕上げることがないよう、要点をおさえて書くようにしたいですね。

回数を重ねるにつれて要領が分かっていくと思いますので、頑張って取り組んでください。

 

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  • この記事を書いた人

斎藤先生

【猫の手ゼミナール講師】斎藤隆先 【出身大学】横浜国立大学大学院工学府システム統合工学専攻博士課程前期修了 【指導科目】数学(微分積分、線形代数):物理(力学、熱力学)

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